git: 8f6012bb8e - main - ja/handbook: Upadate basic chapter

From: Ryusuke SUZUKI <ryusuke_at_FreeBSD.org>
Date: Sun, 11 Sep 2022 01:33:07 UTC
The branch main has been updated by ryusuke:

URL: https://cgit.FreeBSD.org/doc/commit/?id=8f6012bb8ece136977f45536175d3b0d2f767adc

commit 8f6012bb8ece136977f45536175d3b0d2f767adc
Author:     Ryusuke SUZUKI <ryusuke@FreeBSD.org>
AuthorDate: 2022-09-11 01:32:29 +0000
Commit:     Ryusuke SUZUKI <ryusuke@FreeBSD.org>
CommitDate: 2022-09-11 01:32:29 +0000

    ja/handbook: Upadate basic chapter
    
    e05926f374 -> f846d4ea99
---
 .../content/ja/books/handbook/basics/_index.adoc   | 126 +++++++++------------
 1 file changed, 55 insertions(+), 71 deletions(-)

diff --git a/documentation/content/ja/books/handbook/basics/_index.adoc b/documentation/content/ja/books/handbook/basics/_index.adoc
index 52600ae45d..ee652d1c61 100644
--- a/documentation/content/ja/books/handbook/basics/_index.adoc
+++ b/documentation/content/ja/books/handbook/basics/_index.adoc
@@ -55,7 +55,7 @@ FreeBSD の初心者であれば、この章を読んでおいた方がきっと
 
 この章を読んで分かることは、次のようなことです。
 
-* FreeBSD の "仮想コンソール" の使い方
+* 仮想コンソールの使い方と設定方法
 * UNIX(R) のファイルの許可属性の仕組みと FreeBSD のファイルフラグについて
 * FreeBSD のファイルシステムの構成
 * FreeBSD のディスク構成
@@ -69,14 +69,6 @@ FreeBSD の初心者であれば、この章を読んでおいた方がきっと
 [[consoles]]
 == 仮想コンソールと端末
 
-FreeBSD は様々な使い方ができます。
-その中の一つが、テキスト端末でコマンドを入力することです。
-この方法で FreeBSD を使えば、 UNIX(R) オペレーティングシステムの能力と柔軟性を手にすることができます。
-この節では、"コンソール" と "端末" はどのようなもので、FreeBSD でどう使うかを 説明します。
-
-[[consoles-intro]]
-=== コンソール
-
 起動時に自動的にグラフィカルな環境が起動するように FreeBSD を設定していなければ、システムが起動すると、以下のようなコマンドラインのログインプロンプトが表示されます。
 
 [source,shell]
@@ -88,59 +80,43 @@ login:
 
 最初の行はシステムの情報です。
 `amd64` は、このシステム上で 64 ビット版の FreeBSD が動作していることを示しています。
-ホスト名は `pc3.example.org`、[.filename]#ttyv0# はシステムコンソールであることを示しています。
-
+ホスト名は `pc3.example.org`、[.filename]#ttyv0# は "システムコンソール" であることを示しています。
 次の行はログインプロンプトです。
-このプロンプトから FreeBSD にログインする方法を次の節で説明します。
-
-[[consoles-login]]
-=== FreeBSD にログインする
-
-FreeBSD は、マルチユーザ、マルチプロセスなシステムです。 これは、1 台のマシンで何人もの人が交互に多くのプログラムを 動かせるシステムに与えられる正式な説明です。
-
-あらゆるマルチユーザシステムには、ある "ユーザ" を他のユーザと区別する何がしかの手段が必要です。 FreeBSD (とすべての UNIX(R) like なオペレーティングシステム) では、 すべてのユーザに対してプログラムの実行を可能にするのに、システムに "ログイン" することを義務付けてこれを実現しています。 どのユーザにも、一意な名前 ("ユーザ名") と個人的な秘密の鍵 ("パスワード") があります。 FreeBSD はユーザにプログラムの実行を許可する前に、 この 2 つの入力を要求します。
 
-FreeBSD が起動すると、システムを準備したり、システム起動時に開始すべきサービスを起動するように、スタートアップスクリプトが自動的に実行されます。
-そして、プロンプトを表示して有効なユーザ名の入力を促します。
-
-[source,shell]
-....
-login:
-....
+FreeBSD はマルチユーザシステムなので、ユーザを区別する何がしかの手段が必要です。
+システム上のプログラムを実行できるようになるには、すべてのユーザに対してシステムにログインすることが義務付けられています。
+すべてのユーザは、一意な名前である "ユーザ名" と "パスワード" を持っています。
 
-システムのインストール時に、crossref:bsdinstall[bsdinstall-addusers,ユーザの追加] で追加したユーザ名を入力して、kbd:[Enter] を押してください。
+システムコンソールにログインするには、システムのインストール時に crossref:bsdinstall[bsdinstall-addusers,ユーザの追加] で追加したユーザ名を入力して、kbd:[Enter] を押してください。
 次にそのユーザのパスワードを入力して、kbd:[Enter] を押してください。
 セキュリティの観点から、パスワードは _表示されません_。
 
 パスワードを正確に入力したら、日々のメッセージ (MOTD) が表示され、
-コマンドプロンプト (`#`, `$` または `%` 記号) が表示されます。
-これで FreeBSD コンソールへのログインが行われ、利用可能なコマンドを実行する準備ができました。
+コマンドプロンプトが表示されます。
+ユーザ作成時に選択したシェルに依存しますが、このプロンプトは `#`, `$` または `%` といった記号です。 
+プロンプトはユーザが FreeBSD のシステムコンソールへログインし、利用可能なコマンドを実行する準備ができていることを示しています。
 
 [[consoles-virtual]]
 === 仮想コンソール
 
-FreeBSD は、複数の仮想コンソールを表示してコマンドを入力できるように設定できます。
-各仮想コンソールは、個別のログインプロンプトおよび出力チャンネルを持っており、FreeBSD は仮想コンソール間の切り替えに応じて、キーボード入力とモニター出力を適切につなぎ直します。
+システムコンソールからシステムに対話的にコマンドを実行できますが、FreeBSD システム上でキーボードによりコマンドラインから利用しているユーザは、通常代わりに仮想コンソールにログインします。
+デフォルトではシステムからのメッセージはシステムコンソールに出力され、これらのメッセージが、ユーザが作業しているコマンドまたはファイル上に表示されるため、ユーザが現在の作業に集中できなくなるためです。
 
-FreeBSD は、コンソールを切り替えるために、特別なキーの組合せを予約しています。
-FreeBSD では kbd:[Alt+F1], kbd:[Alt+F2] から kbd:[Alt+F8] までを、別の仮想コンソールへの切り替えに使えます。
+デフォルトでは FreeBSD は、複数の仮想コンソールを表示してコマンドを入力できるように設定されています。
+各仮想コンソールは、個別のログインプロンプトおよびシェルを持っており、簡単に仮想コンソール間の切り替えができます。
+これにより、グラフィカルな環境において同時に複数のウィンドウを開いてコマンドラインの環境を提供できます。
 
-あるコンソールから他に切り替えるのに応じて、FreeBSD は画面への出力を保存して戻します。
-結果として、FreeBSD で動かすコマンドを入力するのに使える複数の画面とキーボードを "仮想的に" 実現できるのです。
-ある仮想コンソールで実行したプログラムは、別の仮想コンソールに切り替えて、そのコンソールが見えなくなっている時も実行を停止しません。
+FreeBSD では kbd:[Alt+F1] から kbd:[Alt+F8] までのキーの組み合わせが、仮想コンソール間の切り替えに予約されています。
+システムコンソール ([.filename]#ttyv0#) に切り替えるには、kbd:[Alt+F1] を使ってください。
+最初の仮想コンソール ([.filename]#ttyv1#) にアクセスするには kbd:[Alt+F2]、2 番目の仮想コンソール ([.filename]#ttyv2#) にアクセスするには kbd:[Alt+F3]、といったように使ってください。
 
-FreeBSD のコンソールおよびキーボードドライバに関するさらなる技術的な説明については、man:kbdcontrol[1], man:vidcontrol[1], man:atkbd[4], man:syscons[4] および man:vt[4] を参照してください。
+あるコンソールから他に切り替えるのに応じて、FreeBSD は画面への出力を管理します。
+結果として、FreeBSD で動かすコマンドを入力するのに使える複数の画面とキーボードを仮想的に実現できるのです。
+ある仮想コンソールで実行したプログラムは、ユーザが別の仮想コンソールに切り替えても実行を停止しません。
 
-[[consoles-ttys]]
-=== [.filename]#/etc/ttys# ファイル
+FreeBSD のコンソールおよびキーボードドライバに関するさらなる技術的な説明については、man:syscons[4], man:atkbd[4], man:vidcontrol[1] および man:kbdcontrol[1]  を参照してください。
 
-初期設定では、FreeBSD は 8 つの仮想コンソールを立ち上げるように設定されています。
-この設定については、より多く、またはより少ない数の仮想コンソールを起動するように、カスタマイズできます。
-仮想コンソールの数を変更するには、[.filename]#/etc/ttys# ファイルを編集してください。
-
-[.filename]#/etc/ttys# ファイルの中で、コメントアウトされていない (`#` 文字で始まっていない) 行には、一つの端末または仮想コンソールの設定が含まれています。
-FreeBSD の初期設定では、 仮想コンソールを 9 つ設定し、そのうち 8 つを有効にしています。
-`ttyv` で始まる行が関連する行です。
+FreeBSD では以下の [.filename]#/etc/ttys# のように複数の利用可能な仮想コンソールが設定されています。
 
 [.programlisting]
 ....
@@ -158,14 +134,25 @@ ttyv7   "/usr/libexec/getty Pc"         cons25  on  secure
 ttyv8   "/usr/X11R6/bin/xdm -nodaemon"  xterm   off secure
 ....
 
+仮想コンソールを無効にするには、無効にしたい仮想コンソールの行をコメント記号 (`\#`) から始まるように設定してください。
+たとえば、利用可能な仮想コンソールを 8 つから 4 つに減らす場合には、 [.filename]#ttyv5# から
+[.filename]#ttyv8# までの仮想コンソールを表す最後の 4 行の先頭に `\#` を挿入してください。
+システムコンソールを表す [.filename]#ttyv0#
+から始まる行はコメントアウト _しないでください。_
+最後の仮想コンソール ([.filename]#ttyv8#) は、Xrog がインストールされ crossref:x11[x11,X Window System] で説明されているように設定されている場合に、グラフィカル環境にアクセスするために使用されます。
+
 このファイルのそれぞれのカラムと仮想コンソールに設定可能なオプションの詳しい説明は、man:ttys[5] のマニュアルを参照してください。
 
 [[consoles-singleuser]]
-=== シングルユーザモードのコンソール
+=== シングルユーザモード
 
-"シングルユーザモード" についての詳しい説明は、 crossref:boot[boot-singleuser,「シングルユーザモード」] にあります。
-FreeBSD をシングルユーザモードで動かしている場合は、コンソールは一つしかなく、他の仮想コンソールは利用できません。
-シングルユーザモードの設定は、[.filename]#/etc/ttys# ファイルの以下のセクションにあります。
+FreeBSD のブートメニューでは、"シングルユーザモード" と表示されているオプションが提供されています。
+このオプションを選択すると、システムは "シングルユーザモード" と呼ばれる特別なモードで起動します。
+このモードは、システムが起動しない場合に修正のため、または `root` のパスワードが分からなくなってしまいリセットするときなど、特別な状況で利用されます。
+シングルユーザモードで動かしている場合は、ネットワークや他の仮想コンソールは利用できません。
+しかし、システムへの完全な `root` 権限を利用でき、デフォルトの設定では `root` のパスワードは必要ありません。
+このような理由のため、このモードで起動する場合には物理的なキーボードへのアクセスが必要であり、FreeBSD システムの安全性の観点からキーボードに物理的にアクセスできる人を決めておく事が必要です。
+シングルユーザモードを管理する設定は、[.filename]#/etc/ttys# ファイルの以下のセクションにあります。
 
 [.programlisting]
 ....
@@ -176,11 +163,13 @@ FreeBSD をシングルユーザモードで動かしている場合は、コン
 console none                            unknown  off  secure
 ....
 
+デフォルトでは、status は `secure` に設定されています。
+これは、キーボードへアクセスできるかユーザが誰であるかが重要ではない、もしくはアクセスできるユーザについては物理的なセキュリティポリシーでコントロールされていることが前提となっています。
+この設定を `insecure` に変更するケースとしては、システムは安全ではなく、誰でもキーボードにアクセスできる環境が想定されます。
+この行を `insecure` に変更すると、FreeBSD がシングルユーザモードで起動した場合に `root` のパスワードが要求されます。
+
 [NOTE]
 ====
-`console` 行の上記のコメントが示すように、`secure` を `insecure` に変更すると、 FreeBSD がシングルユーザモードで起動した場合に `root` のパスワードが要求されます。
-デフォルトの設定では、パスワードが要求されることなくシングルユーザモードで起動します。
-
 _`insecure` に 変更する場合は十分注意してください!_ 
 `root` のパスワードを忘れてしまうと、シングルユーザモードで起動することはできますが、FreeBSD の起動のプロセスに詳しくない人が起動できるようにするに難しいかも知れません。
 ====
@@ -222,28 +211,23 @@ allscreens_flags="MODE_279"
 [[permissions]]
 == 許可属性
 
-FreeBSD は BSD UNIX(R) の直系の子孫であり、 いくつかの鍵となる UNIX(R) 思想にもとづいています。
-まず最も際だった特徴として最初に言えるのは、FreeBSD がマルチユーザのオペレーティングシステムだということです。FreeBSD は同時に働いている複数のユーザすべてを、 完全に分離したタスク上で処理する能力を持っています。
-また FreeBSD は、ハードウェアデバイス、周辺装置、メモリ、CPU 時間等への要求を、各ユーザが平等に利用できるように適切に共有し、管理する役割を担っています。
+FreeBSD では、すべてのファイルおよびディレクトリは一組の許可属性を持っています。
+これらの許可属性は、ユーティリティを使って確認したり変更できます。
+許可属性がどのように機能するかを知ることで、ユーザが必要とするファイルにアクセスできるかどうか、オペレーティングシステムが使用しているファイルや他のユーザが所有するファイルにアクセスできないことを理解できるようになります。
 
-ユーザアカウントについての詳細は、crossref:users[users-synopsis,「アカウント」] の章をご覧ください。
-コンピュータを使用する各ユーザに対して、ユーザ名とパスワードが与えられている必要であることを理解しておいてください。
-コンピュータを使用しているユーザの把握には、ユーザ名をベースに行われます。
-同じプロジェクトのために作業をしている複数のユーザに対し、UNIX(R) はグループによる管理を提供しています。
-複数のユーザは、同じグループに所属できます。
+この節では、FreeBSD で使用される伝統的な UNIX(R) の許可属性について説明します。
+より細かいファイルシステムのアクセス制御に関しては、crossref:security[fs-acl,“アクセス制御リスト”] をご覧ください。
 
-システムがマルチユーザをサポートしているため、システムが管理する資源はすべて、誰がその資源を読み・書き・実行できるかを支配する、一組の許可属性を持っています。
-これらの許可属性は 3 つの部分からなる 3 桁の 8 進数の形で格納されています。
-それはそのファイルの所有者 (owner) に対するもの、そのファイルが所属するグループ (group) に対するもの、 その他 (others) に対するものの 3 つです。
-これを数字を使って表現すると、次のようになります。
+UNIX(R) では、基本の許可属性は 3 つのアクセスタイプ (読み・書き・実行) を使って割り当てられます。
+これらのアクセスタイプを使って、ファイルの所有者 (owner)、グループ (group) その他 (others) に対するファイルアクセスを設定します。
+読み、書き、実行に関する許可属性は、それぞれ`r`, `w`, および `x` 文字で表されます。
+これらの許可属性を表す際に、オンかオフ (`0`) による 2 進数表記も使われます。
+数字で表現する場合には、`r` は `4`、`w` は `2` そして `x` は `1` の値を持つよう、`rwx` の順番で表されます。
 
-[NOTE]
-====
-この節では、伝統的な UNIX(R) の許可属性について説明します。
-より細かいファイルシステムのアクセス制御に関しては、crossref:security[fs-acl,“アクセス制御リスト”] をご覧ください。
-====
+以下は、許可属性を表す際に用いられる数字およびアルファベットをまとめた表です。
+"ディレクトリの表示" カラムでは、`-` は許可属性がオフに設定されていることを表します。
 
-[.informaltable]
+.UNIX(R) 許可属性
 [cols="1,1,1", frame="none", options="header"]
 |===
 | 値